「ダイエットを始めたけれど、結局一日にどれくらい食べていいのかわからない」
「食事制限をしているのに、なかなか体重が落ちない……」
そんな悩みを抱えている女性は少なくありません。SNSやネット上には「1,200kcalに抑えれば痩せる」「糖質を抜けばOK」といった情報が溢れていますが、実は「あなたに合った正しい摂取カロリー」を知らなければ、リバウンドや体調不良を招くリスクがあります。
この記事では、数多くの女性のボディメイクを成功させてきたジムのトレーナーである筆者が、「失敗しにくい摂取カロリーの決め方」を3つのステップで徹底解説します。
1. なぜ「カロリー設定」がダイエットの鍵を握るのか?
ダイエットの基本原則は、非常にシンプルです。
消費カロリー > 摂取カロリー
この状態(アンダーカロリー)を作ることで、体は蓄えていた体脂肪をエネルギーとして燃焼し始めます。
しかし、女性の場合は男性に比べて筋肉量が少なく、ホルモンバランスの影響も受けやすいため、「ただ減らせばいい」というわけではありません。 摂取カロリーの過度な制限は代謝を下げ、肌荒れや生理不順を引き起こす原因になります。美しく健康的に痩せるためには、自分の「適正量」を見極めることが何よりも重要なのです。
2. 【Step 1】自分の「基礎代謝量(BMR)」を把握しよう
まずは、あなたが「何もしなくても消費するエネルギー量」、つまり基礎代謝量(BMR)を算出しましょう。これは、ヒトが心臓を動かしたり呼吸したり、最低限勝手に消費されるエネルギー量です。
女性の基礎代謝を計算する際は、以下の「ハリス・ベネディクト方程式(改良版)」が一般的によく使われます。
基礎代謝量の計算式(女性)
(9.247 × 体重(kg)) + (3.098 × 身長(cm)) – (4.33 × 年齢) + 447.593
例えば、30歳・身長160cm・体重55kgの女性の場合:
- 9.247 × 55 = 508.585
- 3.098 × 160 = 495.68
- 4.33 × 30 = 129.9
- 508.585 + 495.68 – 129.9 + 447.593 = 1,321.958kcal
この女性の基礎代謝量は、約1,322kcal。お茶碗一杯のご飯が約160kcalなので、この方は、何もしなくても勝手にご飯8杯ちょっとは消費してくれるということになります。
トレーナーのアドバイス:
基礎代謝を下回る食事制限は絶対にNGです。脳が飢餓状態だと判断し、逆に脂肪を溜め込みやすい「省エネ体質」になってしまいます。
3. 【Step 2】一日の「総消費カロリー(TDEE)」を計算する
次に、日常生活や運動で消費するエネルギーを合わせた総消費カロリー(TDEE)を求めます。基礎代謝量に、活動レベルに応じた係数を掛け合わせます。
| 活動レベル | 内容の目安 | 係数 |
| レベル1(低い) | デスクワークが中心で、運動習慣がほとんどない | 1.2 |
| レベル2(普通) | 立ち仕事や通勤での歩行、週1〜2回の軽い運動 | 1.375 |
| レベル3(高い) | 動き回る仕事、または週3〜5回のしっかりした運動 | 1.55 |
先ほどの女性(基礎代謝1,322kcal)がデスクワーク中心(レベル1)の場合:
1,322 ×1.2 = 1,586kcal
これが、この女性の「一日の消費カロリー」すなわち「現状を維持するための摂取カロリー」です。(あくまで推定ですが)
4. 【Step 3】目標に合わせて「摂取カロリー」を設定する
いよいよ、ダイエットのための摂取カロリーを決めます。
体脂肪を1kg減らすために必要な消費エネルギーは、約7,200kcalと言われています。
もし「1ヶ月で体脂肪を落としたい」と考えるなら、合計で14,400kcalを1ヶ月でマイナスにする必要があります。
- 14,400 ÷ 30日 = 480kcal /日
つまり、先ほどの女性の場合:
- 総消費カロリー1,586kcal – 480kcal = 1,106kcal
……となりますが、ここで注意が必要です!先ほど「基礎代謝(1,322kcal)を下回ってはいけない」とお伝えしましたね。この計算結果の1,106kcalでは低すぎます。
失敗しないための「目標摂取カロリー設定」のルール
女性のダイエットでは、以下の2つのうち、数値が大きい方を優先して摂取カロリーを設定するのが現実的で健康的です。
- 基礎代謝量(BMR)そのもの
- 総消費カロリー(TDEE)の80%〜90%
今回の例では、1,586kcalの80%である約1,268kcal〜1,322kcalあたりを目標にするのがベスト。また、もっと早く痩せたいのであれば、食べる量を減らすのではなく、「運動量を増やしてTDEEを底上げする」のがおすすめのアプローチです。
5. 女性がカロリー設定で陥りやすい「3つの落とし穴」
計算通りに進まないのがダイエットの難しいところ。特に女性には特有の注意点があります。
① 月経周期による変動を考慮していない
排卵後から生理前(高温期)にかけては、体に水分を溜め込みやすくなります。この時期に「カロリーを守っているのに体重が減らない!」と焦ってさらに食事を減らすのは逆効果。この時期は痩せにくい方がほとんどです。「維持できればOK」という心の余裕を持ちましょう。
② 「カロリーの内訳(PFCバランス)」を無視している
同じ1,300kcalでも、お菓子だけで摂るのと、お肉・魚・野菜から摂るのでは結果が全く異なります。
- P(タンパク質): 筋肉を維持し、代謝を落とさないために最重要。
- F(脂質): ホルモンバランスを整えるために適量が必要。
- C(炭水化物): 脳と体のエネルギー源。抜きすぎるとリバウンドの元。
最初は、以下の計算式に従ってPFCバランスを設定すると、おすすめです。ジムのお客様でも、この通りにやって減量が上手くいく方が多いです。
③ 週末の「チート」で帳消しにしている
平日に毎日200kcalずつ頑張って節制しても、週末に1,500kcalオーバーのドカ食いをしてしまえば、週単位の収支はプラスに。ダイエットは「1日の点」ではなく「週・月単位の線」で捉えることが成功の秘訣です。
6. まとめ:あなたの「正解」は体が教えてくれる
ダイエットに必要な摂取カロリーの決め方をまとめましょう。
- 自分の基礎代謝(BMR)を知る(最低限食べる量)
- 活動レベルを掛け合わせて総消費カロリー(TDEE)を出す(維持する量)
- TDEEの80〜90%を目標摂取カロリーに設定する
- 2週間継続して、体重や体脂肪率の変化を見る
計算式はあくまで「目安」です。筋肉量や体質によって誤差が出るため、まずは計算した数値を2週間続けてみて、体重が落ちなければ少し減らす、体力が落ちるようなら少し増やす、といった微調整を行ってください。
数字に振り回されすぎず、自分の体の声を聞きながら、心地よく続けられる「あなただけの適正量」を見つけていきましょう。
「もっと具体的な献立例や、自分に合ったPFCバランスも知りたい!」
そう思った方は、ぜひ次回の記事もチェックしてみてくださいね。理想の体への第一歩は、正しい知識を持つことから始まります!
皆さん、いつもダイエットお疲れ様です!


